岡山大学弓道部部歌


一.霞に明くる春の朝
  光漂う花の陰

  弓弦の音の高鳴りに

  眠れる蝶や驚かん

二.霧に暮れ行く秋の夕

  山の紅葉の緋ぞもゆる

  若き血潮に張る弓の

  望月なせる姿哉

三.ここ吉備の野の一角は

  芽ぐみ初めにし栴檀の

  双葉の薫りいや高く

  培い来にし幾星霜


四.三千年の武士道の

  精華の彩にあこがるる

  清き心の共鳴は

  永き我部の命なり

五.見ずや念頭一邪無く

  無言の的に向かうとき

  気は丹田に納まりて

  魂大空を呑まんとす

六.誓ひを神に捧げつつ

  放つ自信の一矢にも

  奇しき運命の悟られて

  刹那に醒なる吾心



岡山大学弓道部哀歌


一.素引き素引きでしごかれて

  掃除的張り慣れたけど

  今に見ていろ俺だって

  咲かせてみせる若桜

二.巻わらかたくてはねかえり

  外れたこともあったけど

  汗を流して今日もまた

  花のあの娘にゃ負けられぬ


三.朝もはよから跳び起きて

  友と競った麦の秋

  道はまだまだ遠いけど

  負けずに励め胸できれ

四.北風すさぶ朝ぼらけ

  白き息して引き分けりゃ

  若き血潮は火と燃えて

  弦音の音ぞたのもしき